Bashシェルスクリプト/特殊な変数展開

特殊な変数展開

dokuwiki.fl8.jp掲載済

変数の値の有無による設定/展開

変数にすでに値が入っている場合と何も値が入っていない場合で、動作が異なる代入/参照方法があります。
変数に値が代入されていれば新たにそこには代入しないけれど、値が入っていないときには代入しよう、というif文的な動作をする書き方です。

拡張的な変数展開説明
${VAR:-word}変数VARに値が入っていないならwordを値として返す。
${VAR:=word}変数VARに値が入っていないならwordを代入する。
${VAR:?word}変数VARに値が入っていないならwordを出力する。
${VAR:+word}変数VARに値が入っているならwordを代入する。

Bashで追加された拡張的な変数展開

変数の値を切り出す(${variable:offset}、${variable:offset:length})

${variable:offset:length}は、変数variableに代入されている値に対して、offset番目からlength分の文字列を切り出します。
最初の文字列が0番目です。lengthを省略すると最後までとして解釈します。

■例1:変数VARの値の2番目から6個を切り出す。

$ VAR=0123456789
$ echo ${VAR:2:6}
234567

■例2:offsetやlength部分には算術式を指定できます。
 (5-2)番目から(1+3)個分切り出す。

$ VAR=0123456789
$ echo ${VAR:(5-2):(1+3)}
3456

合致する変数名を全て表示する。(${!prefix*})

${!prefix*}は、文字列prefixで始まる名前の変数を全て表示します。
■例:VAR*と合致する変数名を全て表示する。

$ VAR_1=0123
$ VAR_2=abcd
$ VAR_3=wxyz
$ echo ${!VAR*}
VAR_1 VAR_2 VAR_3

変数の値の文字数を表示する(${#variable})

${#variable}は、変数variableに代入されている値(文字列)の文字数を表示します。
$#は位置パラメータの個数を表示しますが、それによく似ています。

■例:変数VAR1とVAR2の文字数を表示する。

$ VAR1=0123
$ VAR2="abcd xyz"
$ echo ${#VAR1}
4
$ echo ${#VAR2}
8

変数の値を文字列指定(前方一致)で削除する。(${variable#word}、${variable##word})

${variable#word}と${variable##word}は、変数variableに代入されている値(文字列)の先頭部分が文字列wordに合致する時に、そこまでの文字列を削除します。

#が1個だと最短一致パターンとなり、2個だと最長一致パターンとで判断します。
文字列指定にはワイルドカードが使えます。

■例1:変数VARに代入されている値から最短一致でabcを削除

$ VAR=abc1234xyz987abcd1234efg
$ echo ${VAR#abc}
123xyz987abcd1234efg

■例2:変数VARに代入されている値から最短一致でaで始まって2で終わる文字列を削除

$ echo ${VAR#a*2}
3xyz987abcd1234efg

■例3:変数VARに代入されている値から最長一致でaで始まって2で終わる文字列を削除

$ echo ${VAR##a*2}
34efg

■例4:変数VARに代入されている値から最短一致で1234を削除

$ echo ${VAR#*1234}
xyz987abcd1234efg

■例5:変数VARに代入されている値から最長一致で1234を削除

$ echo ${VAR##*1234}
efg

変数の値を文字列指定(後方一致)で削除する。(${variable%word}、${variable%%word})

${variable%word}と${variable%%word}は、変数variableの値(文字列)のうち、後方部分が文字列wordに合致する場合はそこまでの部分を削除します。
%が1個だと最短一致パターンとなり、2個だと最長一致パターンとで判断します。
文字列指定にはワイルドカードが使えます。

■例1:最後尾の1234を削除

$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234
$ echo ${VAR%1234}
abcd1234xyz987abcd

■例2:変数VARに代入されている値から最後尾の最短一致でdで始まって4で終わる文字列を削除

$ echo ${VAR%d*4}
abc

■例3:変数VARに代入されている値から最後尾最長一致でdで始まって4で終わる文字列を削除

$ echo ${VAR%%d*4}
34efg

■例4:変数VARに代入されている値から最後尾最短一致で34を削除

$ echo ${VAR%34*}
abcd1234xyz987abcd12

■例5:変数VARに代入されている値から最後尾最長一致で34を削除

$ echo ${VAR%%34*}
abcd12

変数の値を文字列指定で置き換える(${variable/pattern/string}、${variable//pattern/string})

${variable/pattern/string}と${variable//pattern/string}は、変数variableの値(文字列)が文字列パターンpatternに合致すればその部分を文字列stringに置き換えます。
patternにはワイルドカードが利用できる為、最短一致と最長一致とが使えます。
/が1個は最短一致で、2個の時は一致する全てを置き換えます。

■例1:最短一致で1234をAAAに置き換える

$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd
$ echo ${VAR/1234/AAA}
abcdAAAxyz987abcd1234abcd

■例2:最長一致で1234をAAAに置き換える

$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd
$ echo ${VAR/1234//AAA}
abcdAAAxyz987abcdAAAabcd

■例3:1で始まりaで終わる部分をBBBに置き換える

$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd
$ echo ${VAR/1*a/BBB}
abcdBBBbcd