Bashシェルスクリプト/特殊な変数展開
特殊な変数展開 †
変数の値の有無による設定/展開 †
変数にすでに値が入っている場合と何も値が入っていない場合で、動作が異なる代入/参照方法があります。
変数に値が代入されていれば新たにそこには代入しないけれど、値が入っていないときには代入しよう、というif文的な動作をする書き方です。
拡張的な変数展開 | 説明 |
${VAR:-word} | 変数VARに値が入っていないならwordを値として返す。 |
${VAR:=word} | 変数VARに値が入っていないならwordを代入する。 |
${VAR:?word} | 変数VARに値が入っていないならwordを出力する。 |
${VAR:+word} | 変数VARに値が入っているならwordを代入する。 |
Bashで追加された拡張的な変数展開 †
変数の値を切り出す(${variable:offset}、${variable:offset:length}) †
${variable:offset:length}は、変数variableに代入されている値に対して、offset番目からlength分の文字列を切り出します。
最初の文字列が0番目です。lengthを省略すると最後までとして解釈します。
■例1:変数VARの値の2番目から6個を切り出す。
$ VAR=0123456789 $ echo ${VAR:2:6} 234567
■例2:offsetやlength部分には算術式を指定できます。
(5-2)番目から(1+3)個分切り出す。
$ VAR=0123456789 $ echo ${VAR:(5-2):(1+3)} 3456
合致する変数名を全て表示する。(${!prefix*}) †
${!prefix*}は、文字列prefixで始まる名前の変数を全て表示します。
■例:VAR*と合致する変数名を全て表示する。
$ VAR_1=0123 $ VAR_2=abcd $ VAR_3=wxyz $ echo ${!VAR*} VAR_1 VAR_2 VAR_3
変数の値の文字数を表示する(${#variable}) †
${#variable}は、変数variableに代入されている値(文字列)の文字数を表示します。
$#は位置パラメータの個数を表示しますが、それによく似ています。
■例:変数VAR1とVAR2の文字数を表示する。
$ VAR1=0123 $ VAR2="abcd xyz" $ echo ${#VAR1} 4 $ echo ${#VAR2} 8
変数の値を文字列指定(前方一致)で削除する。(${variable#word}、${variable##word}) †
${variable#word}と${variable##word}は、変数variableに代入されている値(文字列)の先頭部分が文字列wordに合致する時に、そこまでの文字列を削除します。
#が1個だと最短一致パターンとなり、2個だと最長一致パターンとで判断します。
文字列指定にはワイルドカードが使えます。
■例1:変数VARに代入されている値から最短一致でabcを削除
$ VAR=abc1234xyz987abcd1234efg $ echo ${VAR#abc} 123xyz987abcd1234efg
■例2:変数VARに代入されている値から最短一致でaで始まって2で終わる文字列を削除
$ echo ${VAR#a*2} 3xyz987abcd1234efg
■例3:変数VARに代入されている値から最長一致でaで始まって2で終わる文字列を削除
$ echo ${VAR##a*2} 34efg
■例4:変数VARに代入されている値から最短一致で1234を削除
$ echo ${VAR#*1234} xyz987abcd1234efg
■例5:変数VARに代入されている値から最長一致で1234を削除
$ echo ${VAR##*1234} efg
変数の値を文字列指定(後方一致)で削除する。(${variable%word}、${variable%%word}) †
${variable%word}と${variable%%word}は、変数variableの値(文字列)のうち、後方部分が文字列wordに合致する場合はそこまでの部分を削除します。
%が1個だと最短一致パターンとなり、2個だと最長一致パターンとで判断します。
文字列指定にはワイルドカードが使えます。
■例1:最後尾の1234を削除
$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234 $ echo ${VAR%1234} abcd1234xyz987abcd
■例2:変数VARに代入されている値から最後尾の最短一致でdで始まって4で終わる文字列を削除
$ echo ${VAR%d*4} abc
■例3:変数VARに代入されている値から最後尾最長一致でdで始まって4で終わる文字列を削除
$ echo ${VAR%%d*4} 34efg
■例4:変数VARに代入されている値から最後尾最短一致で34を削除
$ echo ${VAR%34*} abcd1234xyz987abcd12
■例5:変数VARに代入されている値から最後尾最長一致で34を削除
$ echo ${VAR%%34*} abcd12
変数の値を文字列指定で置き換える(${variable/pattern/string}、${variable//pattern/string}) †
${variable/pattern/string}と${variable//pattern/string}は、変数variableの値(文字列)が文字列パターンpatternに合致すればその部分を文字列stringに置き換えます。
patternにはワイルドカードが利用できる為、最短一致と最長一致とが使えます。
/が1個は最短一致で、2個の時は一致する全てを置き換えます。
■例1:最短一致で1234をAAAに置き換える
$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd $ echo ${VAR/1234/AAA} abcdAAAxyz987abcd1234abcd
■例2:最長一致で1234をAAAに置き換える
$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd $ echo ${VAR/1234//AAA} abcdAAAxyz987abcdAAAabcd
■例3:1で始まりaで終わる部分をBBBに置き換える
$ VAR=abcd1234xyz987abcd1234abcd $ echo ${VAR/1*a/BBB} abcdBBBbcd